北の尋ね人

逢いたい ひとめ逢いたくて
はるばると海峡
星と流れて 越えてきた
この目にやさしい 松風町よ
いまもおまえが 泣いている
そんな気がする 函館の灯り

みなとの 潮風もなつかしい
路地をゆくおんなの
着物すがたに ふる霧笛
昔とかわらぬ 宝来町よ
ひとりしみじみ 酒をのむ
想いださせる 函館の夜よ

函館 きょうも星がふる
煙草をつけてあの日の
夢をさがして 石畳
ふたりでくらした 青柳町よ
おれの心に いまも咲く
祈るしあわせ 函館のおんな
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