冬の蝉

時として人は 季節を違えて
生まれることがある 冬の蝉のように
けれど短い時代(とき)を 悲しみもせずに
鳴き尽くせたら誰も 嘘と呼びはしない

せめて 枯野を駆け巡る
夢と呼んでも
いつか 時の流れを越えて
真実(ほんとう)になる日が来る

あゝ生命は生命 夢は夢
何処で咲くかは 風に訊け

時として花は 季節を違えて
咲き匂うことがある 早い春のように
迷い咲きと呼ばれて 疑いもせずに
咲き尽くしたら誰も 嘘と呼びはしない

せめて蒼い空を埋める
風の色になれ
いつか時の流れを越えて
実を結ぶ日も来る

あゝ心は心 花は花
何処で散るかは 風に訊け

せめて 枯野を駆け巡る
夢と呼んでも
いつか 時の流れを越えて
真実(ほんとう)になる日が来る

あゝ生命は生命 夢は夢
何処で咲くかは 風に訊け
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