忠治流れ旅

赤城の山に 別離(わかれ)のなみだ
かわい子分と かわす酒
逃れ身となる この俺の
どこにねぐらが あるはずもない
なごり惜しむか 秋の月

情けも義理も 承知の上で
履いた草鞋(わらじ)に 草の露
そんな男の 生き様を
知っているのか 知るはずもない
破れ合羽に からっ風

追われて追われ 落葉の峠
意地もよろける 向かい風
抱いた長刀差(ながどす) 抱き枕
笑うあしたが あるはずもない
男忠治の 流れ旅
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