風待港

船は千来る万来る中で
貴方の船をこころ待ち
もしも港に戻ったならば
嵐よ止むなしばらくは
時化の間はとも網解かぬ
女は男の風待港

冷えていたなら温めてあげる
添い寝の肌で夜明けまで
酒は人肌呑ませてあげる
命の水を好きなだけ
尽くすことなら誰にも負けぬ
私は貴方の風待港

離れたくない心を知らず
いつしか凪の空模様
次はいつかと貴方に問えば
天気に聞けと憎い口
船は出て行く鴎は残る
女は男の風待港
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