海ぶし

おなご雪浪 かいくぐり
岬がくれに 船を待つ
髪を束ねて 日暮れには
くずれ番屋で 飯を炊く
ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる
ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる

砂にさらされ 転がって
浜にゃ涙の 廃船(ふね)一つ
飲んで踊った 万祝(まいわ)いも
爺(じ)さま婆(ば)さまの 語り草
ヤンアレサー 追分の 風に揺れながら
ヤンアレサー 男衆は 腰で舵を切る

おなご飛沫(しぶき)に 叩かれて
今日も大漁の 夢を抱く
凍る昆布を 引きながら
十の指から 血を流す
ヤンアレサー 追分の 海で鮭をとる
ヤンアレサー 男衆は 汗で銭をとる
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