時雨月

惚れて枕も 渇かぬうちに
恋も半端な 三国越え
みれん残して 旅路をゆけば
山の紅葉の 間から
泣いて見送る
君の瞳のような 時雨月

風に吹かれて 重なり合った
落葉みたいな 恋だから
義理は止そうと 指切りしても
別れまぎわの ため息が
うしろ髪ひく
旅が荷になる 時雨月

心つなげる 妻篭の灯り
逢えぬ辛さを 誘うだけ
旅が塒の さすらい稼業
胸に吊した 似顔絵の
君と一緒に
越える木曽路は 時雨月