ばかやろう節

不法投棄されて
夕陽を反射している
軽トラックみたいに
暮れ残って俺は
小さな橋の上で
風景を拒否する

首を傾げたり
足をブラブラさせたり
目を瞑ったり
俺は確かめる
俺だけのやり方で
世界の全てを

悲しい事などあるものか
そうして何時でも生きて来た
そうさ
闘う相手はいつだって
心の底から湧いて来て
崖っぷちに俺を追い詰める
「生きてる価値など何も無い
存在自体がクダラナイ
死ネ!死ネ!」
と俺を追い詰める
拗ねて甘えても
助けを叫んでも
誰も振り向かない
誰も振り向かない
死んだふりしても
生きているふりしても
事実は変わらない
事実は変わらない
孤独がどうして珍しい
そうして此所まで生きて来た
そうさ
闘う相手は何時だって
ドブ河の底から湧いて来て
路地裏で俺を待ち伏せる
打ち据えられては、ばかやろう
引き倒されても、ばかやろう
孤立無援で、ばかやろう
満身創痍で、ばかやろう

此所までそうして生きて来た
此所からそうして生きて行く
不法投棄されて
夕陽を反射している
軽トラックみたいに
暮れ残って俺は
小さな橋の上で
風景を拒否する
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