湯の町しぐれ

ひとり旅路の にが酒よりも
さぞや つらかろ 浮かれ酒
ひと目逢いたい やつれた肩を
抱いてやりたい ネオン花
噂 かなしい 湯の町しぐれ

好きで添えない さだめの恋を
水に流すも 男ゆえ
なんのしあわせ やれない俺を
責めてくれるな せせらぎよ
みれん ばかりの 湯の町しぐれ

雨に散る散る 無情の雨に
紅も はかない 岩つつじ
花の咲く頃 迎えにゆくと
きめた心に 春が逝く
啼くな 山鳩 湯の町しぐれ
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