からたちのふるさと

残りの冬が からたちのトゲに
雪をちらす日 都会にもどる俺
白い花が もうすぐ咲くのにと
赤い手袋で 君が枝をはじく
三年ぶりの ふるさと帰り
あいかわらずの 景色のなかで
君だけがなぜか まぶしく見える
からたちのトゲが きらめいて見える

金色の実が からたちの道に
秋を呼ぶ頃 逢いに来たい また
だまりこんで すねてた君なのに
バスを追いながら 何かつよく云った
三年ぶりの ふるさと帰り
花には早い 季節のなかで
君だけがなぜか やさしく見える
からたちの道が 春めいて見える
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