初恋

君を自転車の後ろに乗せて
ボロボロのスニーカーでペダルをこいだ
カゴの中のラジオからは甲子園試合放送
汗ばんだ学生服ボタンを外した

「押してあげるね」と坂道を登る時
自転車を降りようとした君の黒いスカートが
ひっかかって少しやぶれた時笑った声が
好きだった 好きだった

もう二度と戻れないんだね もう君はいないから
一人で坂道を登る時 すれちがった君の友達が目をそらした

君が好きだった あの日々を忘れない
忘れたい うそだよ 忘れられない
君が好きだった あの日々は
僕のたったひとつの初恋なんだ
僕のたったひとつの初恋なんだ

思い出を真っ白に染めるような 大きな入道雲
ゆっくり ゆっくりと 空に広がってく
プール開きの日に2人で見たのと似ているよ
君も見てるかな 見てるかな

もう二度と戻れないんだね もう君はいないから
一人で坂道を下る時 僕は次の夏へとペダルをこいだ

君が好きだった あの日々を忘れない
忘れたい うそだよ 忘れられない
君が好きだった あの日々は
僕のたったひとつの初恋なんだ
僕のたったひとつの初恋なんだ

僕のたったひとつの初恋だった
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