ランブル

氷の溶けたウイスキー 煙草の灰が落ちて
騒々しいのがかえって気分をほぐしてくれるお店

こわい悪役のような不機嫌なピアニスト
だけど眼が合えばちょっぴりくだけた笑顔が返ってくる

アドリブではじく指先に なめらかにすべるメロディー
自然と足先でリズムをとっている
他愛のない噂ばなし 頬杖で聞き流す
あのひとのことも話にでるけど今は何ともないわ

風の便りじゃ相変わらず気ままな旅ぐらしだと
船からの絵はがき この店に届いた

チャイナドレスが似合うと女ともだちが言う
少しアイラインきつめに描いて酔いまかせはしゃぎ合う
空さわぎだって一人でいるよりずっと気がまぎれるから
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