遠く遠く海へと下る 忍ぶ川のほとりを歩き
果ての街にたどり着くころ 空の色が悲しく見える
振り返る故郷(ばしょ)は遥か遠くなる
柔らかな胸に抱かれてみたい
君を見ました 月見る花に 泣けてきました
嗚呼…

蒼い月が旅路を照らし 長い影に孤独を悟る
人の夢は浮かんで堕ちて されど赤い陽はまた昇る
啼(な)きながら鳥は何処へ帰るだろう
翔び慣れた夜もひとりじゃ辛い
君と寝ました 他人のままで 惚れていました
嗚呼…

夏の空に流れる星は さわぐ胸をかすめて消えた
波の音に哀しみを知り 白い砂に涙がにじむ
罪深き風が肌を萌(も)やす季節(とき)
酔いながら人は抱かれてみたい
君と寝ました 月夜の蚊帳で 濡れていました
嗚呼…

揺れて見えます 今宵の月は 泣けてきました
嗚呼…
×