とおりゃんせ

とおりゃんせ とおりゃんせ
暮れなずむ空へと とおりゃんせ

あれは緑芽吹く春 菜の花摘みし戻り道
小川に架かる橋の上 愛し君を見つけた

あれは木々の萌ゆる夏 夕星いづる蝉しぐれ
二つの小指を蛍が 赤い糸で結んだ

とおりゃんせ とおりゃんせ
帰れない細道
とおりゃんせ とおりゃんせ
染まりゆく空へと とおりゃんせ

いろはにほへと 陽炎の中
あさきゆめみし 夢の終わり

それは黄金(きん)に実る秋 響き渡りし わらべ唄
心にともる恋の灯が 揺れる いざよいながら

それは野山眠る冬 風花舞いし清き朝
繋いだ小指を解いた 愛し君よ何処へ

とおりゃんせ とおりゃんせ
近くも遠き道
とおりゃんせ とおりゃんせ
移りゆく空へと とおりゃんせ

とおりゃんせ とおりゃんせ
散りゆく運命(さだめ)なら
とおりゃんせ とおりゃんせ
暮れなずむ空へと とおりゃんせ
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