昭和モダン

君の乗る船の汽笛を
粉雪のささやきが消す
波止場へといそぐ君の背
舗道へと影が伸びてく

柔らかなベッドのくぼみ
透明な君の輪郭
珈琲は冷めてしまった
ぼくたちの愛のようにね

上海で仕事があるの
クラブでね ジャズを歌うの
2つの瞳 きらきらさせて
過去はみな捨ててくつもり

中国語 喋れないのに
無謀だと止めても無駄さ
チャイナ服 似合うだろうね
細身だし脚も長いし

前向きで芯が強くて
絶対に涙見せない
新しいその生き方を
理解する努力はしたさ

上海で名前を変えて
別人になってもいいわ
あなたとの3年間は
ほんとうに重かったから

上海へ旅立つ船が
水平線 点になったよ
それきりさ それきり2度と
君に逢うことはなかった
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