原宿グラフィティ

絵本のお店を のぞいてる
銀色バックに スカーフで
ロックなかんじの 女の子
あの娘はモデルで 売れている

ケヤキ並木が 見渡せる
テントを張った カフェ・テラス
あの人待って 20分
二杯目コーヒー 飲みほして
ふとうら返した 伝票に
私の恋のねだんが のぞいた

ペンチで針金 クルクルと
曲げてはイニシャル 作ってる
ヒッピー・タイプの おとこの子
手書きのTシャツ 似合ってる

ソフト・クリーム 食べながら
通りの向う 歩道橋
あの人やっと あらわれる
待たせてゴメンと 言わないで
いたずら小僧の ような目で
私をいつも くやしくさせるの

レンガ作りの ブティックで
白いボウシの 人を見て
あの人ふっと 立ち止る
なんだかヒミツが ありそうで
私はひとりで かけだして
駅まで走って 涙がこぼれた
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