パラレル・ワールド

時間を戻せるのなら どれくらい戻したいかって
グラスを片手にあいつは訊いてきた
そうだな 足が速かった小6の頃がいいかな
それとも 自由な大学時代かな

歳を重ねれば 重ねるほど
分からない事が増えてくのは何故?

もしもあの時 違う列車に乗り 違う街を目指せば
どんな景色が待っていたのだろう
想いを馳せてる パラレル・ワールド

経験や知識だけ持って 過去へ旅立ちたいだなんて
これほど都合がいい話はない
夏休みの宿題だって 深夜のアルバイトだって
思い出してみりゃ必死にやってきた

だけど ここ最近は誰かに
認めてもらったような記憶も無いし

白く舞い上がった風 突き抜ければ 向こう側の自分がいる
「こっちおいで」と手招きしながら
光に消えてく パラレル・ワールド

もしもあの時 違う列車に乗り 違う街目指しても
きっと辿り着いた駅を出てみれば
見慣れた景色の パラレル・ワールド
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