燠火

細い肩 真白く華奢な手首
緩く巻く銀の腕環
脱すほど あなたの吐息
まるで夜明けの煙霧
束の間の物語りにしては
揺れている心に怯え
傷ついて羽根を休める
私 冬の白鳥

「愛している」だけは言わないで
もうこれ以上…
愛 腕に崩れても
もう呟いているから
さよなら さよなら

天窓のある月夜の部屋で
絡み合う愛の幻影
解き明かす時間の流れに
まるで堕落
白日の下に曝し出され
夢などと言えるはずもない
繰り返し寄せる思いに
私 夏の砂

「愛している」だけは言わないで
もうこれ以上…
愛 腕に崩れても…
「愛している」だけは言わないで
もうこれ以上…
愛 腕に崩れても
もう呟いているから
さよなら さよなら
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