古都情念

情念が めらめら燃える 大文字
五山の送り火 見ています
胸から揚げ羽の 蝶が舞う
私(うち)は このまま 死んでも
あなたと 切れません
たとえ世間に 背いてまでも
紅ははんなり 今宵 修羅の道

篝火が 命をけずる 薪能
平安神宮 笛が泣く
添いたいきもちに 打つ楔(くさび)
私(うち)は からだの 芯まで
あなたの 女です
月に大鼓(おおかわ) 響けよ届け
今夜抱かれりゃ 溶けて 闇の中

火祭りに 心を焦がす 鞍馬山
恋路をはばむか 九十九折り
逢いたくなったら 夢で逢え
私(うち)は さみしさ 殺して
あなたに 捧げます
骨のずいまで 火の海となり
浴びた焔(ほむら)が 肌に 刺さります
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