狭霧の宿

枕あかりに身を灼(や)いて
どこへ飛びたい 糸とんぼ
二度も三度も諦めた
つらい恋なのに…
ああ…逢えば夢を追う 狭霧の宿

月が宿るという湯舟
できることなら 掬(すく)いたい
肩にうっすらなごり紅
指でなぞれば…
ああ…揺れておぼろな 狭霧の宿

怖いものなど何もない
明日の別れが 怖いだけ
いつか答えが出る日まで
つらい恋だから…
ああ…霧よ隠して 狭霧の宿
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