女房きどり

あなたは着物が 好きだから
着物にしたのと いう女
そんなに飲んでは だめですと
女房きどりで 涙ぐむ
あの瞳(め)は信じて いるんだね
嘘の上手な このおれを

あなたの故郷へ 行きたいと
夕陽をみながら いう女
別れがきたのも 知らないで
女房きどりで 肩よせる
やさしい心に ふれるたび
罪の深さが 身をせめる

あなたに好かれる ためならば
なんでもしますと いう女
どうすりゃいいのよ 教えてと
女房きどりで すがりつく
うなじの白さが 目にしみて
なにも言えない おれなのさ
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