雪あかりの町

角巻で泣きそうな
顔をかくして歩くのよ
吹雪がやんだ北国の 雪あかりの町
ポストの雪を指ではらって
あなたに今日も手紙を出すのよ
見知らぬ町へひとりで行った人

あの人のいる町へ
今日ものぼりの汽車がゆく
汽笛がひびく北国の 雪あかりの町
このまま汽車に乗ってゆきたい
けれどもそれは出来ないことなの
ひとりっ子だからこの町出られない

雪崩の音が眠る私の
まくらの底でもうじきひびくわ
花咲く春が待ち遠しいわたし
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