たからもん

金ピカの僕のメッキが剥がれた時
それでも 君はそばにいるの?
銀色のこのマイクが立たなければ
この声は 君に届かないの?
聞いてみたいよ
でもちょっとだけ怖い

剥がしてみたら メッキの下には

もっと輝く宝もんが
見たことのない宝もんが
ぎっしり詰まってる
そんな風ならいいんだけれど
ばっちり光ってる
そんな風ならいい

「君はすごい」おだてられて もてはやされて
こんな気分悪くはないね
大げさな謳い文字を並べ立てて
もう自分がいる場所さえ知らない
時代がやがて僕を削るだろう

削ってみたら メッキの下には

思いがけずに宝もんが
目も眩むような宝もんが
ぎっしり詰まってる
そんな風ならいいんだけれど
ばっちり光ってる
そんな風ならいいんだけれど

いいんだけれど
いいんだけれど

そうだなあ ほんとは
ひとつあればいい
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