日本海ブルース

ざんざざんざと 浪が散る
ひゅるるひゅるると 風が泣く
岬越前 日本海
はぐれ鴎か 俺はひとり旅

灯りともした 花街で
赤い蛇の目の 女を見た
しのぶおまえの 面影よ
宵の金沢 細雪(さゝめゆき)が舞う

ホタテ肴(さかな)の 熱爛が
じんとしみたぜ 輪島では
酔ってうつろに 見る地図の
魚津 直江津 あとは夢ん中

おけさ踊りで 俺を待つ
佐渡は荒海 なさけ島
一と夜添寝の ぬくもりを
抱いて夜明けの わかれ船にのる

宿にころがり まくら酒
汽車にゆられて 憂(うれ)い酒
ながれ男が 目になみだ
男鹿の彼方に 赤い陽がしずむ

だれが願いを かけたやら
化粧地蔵(けしょうぢぞう)に 花一輪
歌もせつない 十三湖(じゅうさんこ)
旅の終りが 果てがもう近い

津軽海峡 竜飛崎
沖で夜どおし 呼ぶ霧笛
海も明日は 晴れるだろ
さらば乾杯 俺の日本海
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