すすき川愛愁

枯れたすすきも いちどは咲いた
わたしにだって あったわ春が
おんなの肌を 夕映えいろに
染めて抱かれた それは恋

川よ きらり水の すすき川よ
しあわせ何処(どこ)へ 押し流す
川よ 濁(にご)り水の 浮世川よ
おんなは所詮 笹小舟

年をかぞえりゃ 指先さむい
瞼にのこる 男の背中
世帯を持って おちつきたいと
わたし泣かせた それは愛

川よきらり水の すすき川よ
さびしさ何故(なぜ)に 連れてくる
川よ濁り水の 浮世川よ
おんなは いつも 流れ舟

川よきらり水の すすき川よ
わたしは何処(どこ)へ 行けばいい
川よ濁り水の 浮世川よ
わたしにゃ櫓(ろ)を漕ぐ 術(すべ)もない
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