旅人

風にたなびいた
覚悟のフラッグひとつと
夢を詰め込んだ
鞄を背に背負って

生きる証を足跡に深く刻むんだ
夜明け前の月が照らす砂漠道

あの地平線を
朝やけが朱く染めたら
愛しいものにも
しばしの別れを告げて

きっといつかの泡沫の恋もポケットに
国境を越えて情熱の花を咲かそう

旅人よいかなる時も
君は君のまんまでいればいい
迷いながら間違えながらそれでも歩く
旅人が落としていった
大粒の涙のオアシスに
青すぎる空が映りこんでいた

突然の雨に「あきらめるもんか」と呟いた
こんな時こそ大切なものがわかる

いつからか勇気に種が
魂の大地に根をはった
それにさえ気付かないままひたすら歩く
もう何も怖れはしないと
あの覚悟のフラッグを宙に投げた
感謝して祈りをこめて目一杯

旅人よいかなる時も
君は君のまんまで行けばいい
迷いながら間違えながらそれでも歩く
旅人が落としていった
大粒の涙のオアシスに
情熱の花が咲き始めていた
情熱の花が風に揺れていた
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