北半島

胸の小さな 花びらは
あなたがつけた 愛に傷
私とならば
死ねるでしょうかと 問いかける
北に半島 ウトロの宿は
窓に淋しい オホーツク

愛は愛した 数じゃない
夢みただけで 倖せよ
私とあなた
遊びでいたなら 楽でした
北の半島 茜の空に
はぐれ鴎の ひとり飛び

海の色した この胸を
なぞれば指が 思い出す
この世の中で
愛していたのは あなただけ
北の半島 出てゆく船の
遠い霧笛も みれん哭(な)き
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