別れたそうね

別れたそうねと 和服のママが
やさしい目をして 迎えてくれる
あなたは おぼえているかしら
はじめて誘われ 飲んだ店
ふたりの名前で ボトルをいれました

電話でいいから むかしのように
元気をだせよと 叱ってほしい
あなたを信じて いたわたし
こよりの指輪を こしらえて
はしゃいだあの日の しあわせとおい夢

あなたの匂いを 忘れる日まで
誰にも抱かれる その気はないわ
あなたはいい人 みつけたの
路地うらあたりの 手相見が
さみしい顔だと わたしを呼びとめる
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