黄昏の賢者

彼の名は『賢者』――
正確にはその呼び名も通称…本名は全く以って不詳…
私が初めて彼と出逢ったのは…ある春の日の黄昏…
寂れた郊外の公園だった……

今晩和――
まずは誰もいない → 其れが零だ…
其処に私が現れた → 其れが壱だ…
そして君が現れた → 其れが弐だ…
単純な数式にこそ ← 真理が宿る…

そんな容易なことに0301え自らを閉ざして
気づけない時もあるのだ……

やぁ、御機嫌よう――
朝と夜との地平線 → 其れは弐だ…
時の王が眠る墓所 → 其れは参だ…
煌めく永遠の星屑 → 其れは伍だ…
単純な素数に0301え ← 真理は宿る…

どんな容易なことに0301え自らを閉ざして
気づけない事もあるのだ……

君の哀しみを因数分解してみようか?
幸福の最大公約数を求めてみようか?
涙を拭って…0301ぁ…お立ちな0301い…
君の途はまだ続くのだから……

なるほど――
産むべきか ←→ 産まざるべきか…
それが最大の…謂わば問題だ…

歓びの朝も…哀しみの夜も…全ては君の物…
未見ぬ者へ…繋がる歌物語…詩を灯す物語…

『風車』が廻り続ける度に 『美しき』幻想が静かに紡がれ
『焔』の揺らめきの外に 『腕』を伸ばす愚かな者達は
『宝石』をより多く掴もうと 『朝と夜』の狭間を彷徨い続ける
『星屑』の砂の煌めきにも 『葡萄酒』は仄甘い陶酔を魅せ
『賢者』が忌避する檻の中から 『伝言』の真意を彼等に問うだろう
『天使』が別れを告げし時 『地平線』は第五の物語を織る

君が来た朝を後悔するなら…更なる痛みを産むべきではない…
君が行く夜を肯定するなら…その子もまた《人生》を愛すだろう……

お譲0301ん――君の哀しみを因数分解してみようか?
幸福の最大公約数を求めてみようか?
埃を払って…0301ぁ…お発ちな0301い…
君の旅はまだ続くのだから……
0301ようなら――
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