月と桜貝

桜貝から見る月は
ゆれる波間の
まほろばに
あわく円かな夢満ちる
青い光でありました

なんと とおくの夜でしょう
声の届こう
はずもない
せめて 今夜の 潮騒に
波の国から うたいましょう

お月様から見る海は
雲のまにまに
光る水
細くかすかな そら耳は
あぶく はじける 音でした
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