酔いぐれすずめ

暖簾を潜れば 頑固なオヤジがまたひとり
肴はあぶった 痩せてる竹輪
熱燗徳利 摘んで鳴らして ころがして
一本二本と 駅前すずめ

あゝ 酔いぐれて あゝ 夢ぐれて
淋しさ相手の 片手酒
あゝ 木枯らしの あゝ 馬鹿野郎が
肩をたたいて 笑ってる

人生なんかは 演歌の文句じゃないけれど
涙をつぎたす 想い出酒か
心に詫びたい 悲しく逢いたい女がいる
いまでは はぐれた 路地裏すずめ

あゝ 酔いぐれて あゝ 泣きぐれて
恋しい昔に 手酌酒
あゝ 三日月の あゝ馬鹿野郎が
細い顔して 笑ってる

あゝ 酔いぐれて あゝ 夢ぐれて
淋しさ相手の 片手酒
あゝ 木枯らしの あゝ 馬鹿野郎が
肩をたたいて 笑ってる

あゝ 木枯らしの あゝ 馬鹿野郎が
肩をたたいて 笑ってる
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