都会の空

人は憧れの矢を
いつしか背中に忍ばせて
遠い夢に狙い定めて
放つことを 覚えたという

高い高い空が見えますか
この空は何処まで
ある日都会で 一人の女が
行き止まりの 空を見た

こんなもんだね こんなもんだねと
微笑む顔を
両手に隠す 両手に隠す

もうこんな想いは ごめんだと
噂話の横を 通りぬけた

だけど
やさしい 人の声には
淋しい心が
耳を すましてしまう

人の心と 都会の空を
信じるおひとよし
雨に打たれて 落ちた化粧で
まだ 人を待つつもり

誰が名付けたのか 花言葉
信じる 迷い人
装い疲れ辿り着いたら
散る花びらもない

こんなもんだね こんなもんだね
微笑む顔を
両手に隠す 両手に隠す

都会の空を 見上げれば
何もかもが ただのひとりよがり

だけど 甘い夢に惑わされて
他愛もない憧れが
また湧き上がる
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