夜明けの街

水のながれを 忘れた川に
だれが捨てたか 赤い花
ひとの運命(さだめ)の 浮き沈み
傷はのこって いるけれど
俺にゃやさしい 夜明け街

愛をほしがる そぶりも見せず
俺につくして くれた奴
白いうなじと ほそい肩
無理なわかれを させたのも
こんな夜明けの 街だった

夢をふくんで 目覚める並木
ゆけばひとりの この俺を
そっといたわる 詩(うた)がある
やがて都会の 旅びとを
乗せて始発の 船が行く
×