雪散華

傷つき破れた はぐれ舟
雪をかぶった 哀しい舟よ
それでも海に へさきを向けて
いまも大漁の 夢を見る
嵐でなくとも 出られぬわが身
泣いて涙に 暮れるなら

せめて吹雪の なかで舞え
吹きぬく風の音 聞きながら
いっそ吹雪の なかで散れ
涅槃 曼陀羅 それとも地獄

荒海渡る 鳥でさえ
枝をくわえて 行くという
とまり木さえも 持てない俺に
夢のかけらも 砕け散る
くずれた壁の 一つ一つに
惚れたおんなの 顔をみて

せめて咲かせよ 雪の華
心の芯まで 凍る街
いっそ静かに 雪の舞い
涅槃曼陀羅 それとも地獄

せめて吹雪の なかで舞え
吹きぬく風の音 聞きながら
いっそ吹雪の なかで散れ
涅槃 曼陀羅 それとも地獄
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