うらら

花のお寺に 届く
ひと足早い 春便り
梅の蕾みが 煌りと光り
梢の鶯 啼くばかり
貴方を追って 小走りに
生きて来た 人生の
巣立ちの旅に 思い出を
納めに 来ました
うらら 春麗ら うらうら うらら
うらら 春麗ら うらうら うらら

苔の山門 上る
石段途中で 立ち尽くし
幻影の霞が 白く煙って
貴方の笑顔が 遠離る
迷う事なく 真っ直ぐに
貫いた この愛を
貴方のために 幸福を
願いに 来ました
うらら 春麗ら うらうら うらら
うらら 春麗ら うらうら うらら

愛し人の 心が
御百度踏んで 変わるなら
詮無い事と わかっていても
零れた涙の 波の紋
私のどこが 嫌われた
繰り返す 問い掛けに
答え出せない 愚かさを
縋りに 来ました
うらら 春麗ら うらうら うらら
うらら 春麗ら うらうら うらら
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