夜叉のように

海を渡った蝶もいる
冬にまたたく螢さえ…
ましてや女の情念は
いちずな愛を追いつづけ
からだがやせても あかあかと
燃えるいのちに赤く染まって
ああこの胸に激しい鬼がいる
惚れたあなたに 辿りつくまで
乱れた紅のまま

便りみたいに花が飛び
夢が運んで風が吹く…
ひとり寝する夜の呼びかけは
あなたの胸につき刺さり
言葉は涸れても ひたひたと
満ちる想いに 心ひたして
ああひとすじの悲しい鬼がいる
きめた運命(さだめ)に出会う時まで
色ずく肌のまま

ああこの胸に激しい鬼がいる
惚れたあなたに 辿りつくまで
乱れた紅のまま
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