佐渡航路

雪にここまで ここまで追われ
おまえこの海 越えたのか
たったひと夜で ぶり返す
港吹雪の むせび号泣(なき)
身体(からだ)斜めにただ立ち尽くす
冬の新潟 佐渡航路

うしろ姿に どうして云える
逢って詫びたい 一言を
こんな男の 俺でさえ
冬の旅路は つらいのに
そっとつぶやくもう苦しむな
俺のこの手で 抱いてやる

何が邪魔する おまえと俺に
いつか運命(さだめ)も 変わるはず
空に汽笛が 響くとき
おまえ迎えに 立つ俺を
カモメ群れ翔ぶ見送るように
港、新潟 佐渡航路
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