ふるさとへ

故郷に 骨身埋ずめた やつがいる
故郷に 二度と帰れぬ やつもいる
あゝ人の世は
泣いて生まれて 登って下る
思うにまかせぬ 時代坂
よくぞ来た
抱かれる如く 故郷へ…

日本海 波のうねりは 暗いけど
日本海 夕陽きらめく 美しさ
あゝ思い出す
父の笑顔と 寄り添う母の
写真に残らぬ 苦労道
よくぞ来た
語りつくせぬ 故郷へ…

季節(とき)が往く とめる間もなく 花が散る
季節が往く 何を隠すか 雪が降る
あゝ人生は
四季になぞらえ 繕(つくろ)うよりも
初めのところへ 帰る道
よくぞ来た
生まれるための 故郷へ…
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