みれん酒

あんな女と うらんでも
あんな女が 忘られぬ
夜風がつめたい 路地裏を
ひとり歩けば 思い出の
恋の灯りが 眼に痛い

酔って未練が 消えるなら
酒にすがって なぜ悪い
男と女の 仲なんて
どうせ他人にゃ わかるまい
さびれ酒場の ひとり酒

あんな女と 云うけれど
いのち燃やした ときもある
二人で暮らした 毎日が
昨日のように 眼に浮ぶ
辛さわかるか 夜の雨
×