夢淡き東京

柳青める日 燕が銀座に飛ぶ日
誰を待つ心 可愛いガラス窓
かすむは 春の青空か
あの屋根はかがやく 聖路加か
はるかに 朝の虹も出た
誰を待つ心 淡き夢の町東京

橋にもたれつつ 二人は何を語る
川の流れにも 嘆きをすてたまえ
なつかし岸に 聞こえ来る
あの音はむかしの 三味の音か
遠くに踊る 影ひとつ
川の流れさえ 淡き夢の町東京

なやみ忘れんと 貧しき人は唄い
せまい露路裏に 夜風はすすり泣く
小雨が道に そぼ降れば
あの灯りうるみて なやましく
あわれはいつか 雨にとけ
せまい露地裏も 淡き夢の町東京
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