あれから十年たったかなァ

暗い下宿の 四畳半
友とふたりで 手をとりあって
きっといつかは 陽(ひ)が照ると
泣いて誓った あの夜から
ああ もう十年 たったかなァ

俺の帰りを 待ちきれず
嫁に行ったと たよりを前に
あの娘(こ)恨んで 寝もやらず
飲んで明かした あの夜から
ああ もう十年 たったかなァ

過ぎてしまえば 早いもの
若い心を 燃やしたほのお
今じゃかえって なつかしく
思い出してる しみじみと
ああ もう十年 たったかなァ
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