もう戻らない

君が出ていった ドアを眺めて
ただぼんやり いろんなこと 考えていた
思い出ばかりが あふれる部屋で
ゆっくりと時間だけが 色をなくして

わざと傷つける 言葉を選んで
ただ自由に なりたかった

君の夢に 僕の夢を 重ねてみてた頃が
胸の中をかけぬけてる もう戻らない
忙しさに流されてた 優しくなれなかった
君のせいと思い込んだ もう戻らない

泣き腫らした瞳で 僕を見つめて
「元気で」とつぶやいた 君は小さくて
降りはじめた雨 傘も持たずに
ゆっくりと背を向けて君は出てゆく

きっと 今すぐに 君を追いかけて
抱きしめれば 戻れるのだろう

ふるえていた 君の肩を 愛しく感じたけど
閉じたドアを見つめたまま 動きだせない
退屈だとぼやいていた 大切だった日々が
音を立てて崩れてゆく もう戻らない

頼りなくて せつなすぎて 君を抱きしめた夜
胸の中で壊れてゆく もう戻らない
君の夢に 僕の夢を 重ねてみてた頃が
今は遠い過去に変わる もう戻らない
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