吉備路の女

船が着くたび 港へ走る
裾に舞い散る 月見草
信じても… 便りないまま もう三月…
ひとつ汽笛が 泣くたびに
命 命が また痩せる
…吉備路の女

岬がくれの 潮待ち茶屋で
といた黒髪 花の帯
おもいでと… 呼んでみたけど まだ三月…
酔って海鳴り 聞きながら
命 命が また燃える
…吉備路の女

夢が欲しさに 人恋しさに
今日は濃い目の 口紅をひく
辛いけど… 待ってみようか あと三月…
春はいつ来る いつ戻る
命 命が また咽ぶ
…吉備路の女
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