はまなす母情

旅の途中で 目に止めた
浜に咲いてる 北の花
幼ごころに 美しかった
母が差してた 口紅(べに)の色
想いはめぐるよ…
赤いはまなす 北の花

そっと触れれば 指を刺す
棘(とげ)を隠した 砂の花
可愛いからこそ 厳しく叱る
母の言葉は 裏返し
心が痛むよ…
赤いはまなす 砂の花

霧が残した 露ひとつ
抱いて揺れてる 北の花
旅の支度を 手伝いながら
母が落した ひとしずく
あの日が浮かぶよ…
赤いはまなす 北の花
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