花と狼

義理と 人情のだんだら格子
惚れてまたいだこの敷居
苦労くの字にからだを曲げて
みがく 男の 心意気

やむにやまれぬ仁義のわらじ
聞くは他国の 夜の雨
夢も浅草 鳥越ばやし
さめりゃ わびしいひとり旅

俺が荒野の 狼ならば
はやさしい 百合の花
慕いこがれてさまようたとて
浮世 夜霧がじゃまをする
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