討匪行

どこまで続く泥濘ぞ
三日二夜を食もなく
雨降りしぶく鉄かぶと
(雨降りしぶく鉄かぶと)

嘶く声も絶えはてて
倒れし馬のたてがみを
かたみと今は別れ来ぬ
(かたみと今は別れ来ぬ)

蹄のあとに乱れ咲く
秋草の花しずくして
虫が音ほそき日暮空
(虫が音ほそき日暮空)

すでに煙草はなくなりぬ
頼むマッチも濡れはてぬ
飢せまる夜の寒さかな
(飢せまる夜の寒さかな)

さもあらばあれ日の本の
吾はつわものかねてより
草むすかばね悔ゆるなし
(草むすかばね悔ゆるなし)

ああ 東の空遠く
雨雲ゆりてとどろくは
わが友軍の飛行機ぞ
(わが友軍の飛行機ぞ)

敵にはあれど遺骸に
花を手向けてねんごろに
興安嶺よいざさらば
(興安嶺よいざさらば)