笛吹川

死ぬほど憎い この人に
死ぬほど惚れた この身がつらい
かくれ湯の郷 わかれ旅…
ひとつ蛇目傘に よりそいながら
明日は他人の… 他人の… 笛吹川よ

ふたりの恋は 遠花火
燃えても一夜 はかない命
はぐれ蛍は どこへ翔ぶ
そっと寝顔を みつめてひとり
枕ぬらした… ぬらした… 笛吹川よ

ひと汽車せめて 遅らせて
こころの妻と 抱かれていたい
いっそ死ねたら 幸せよ…
肩で息する 見送り橋の
雨が泣かせる… 泣かせる… 笛吹川よ
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