想い出ワルツ

水がなければ 咲けぬ花
わたしのようねと 笑ってた
夜店で買った 水中花
コップに咲かせ 飲んだ夜
いまはむかしの いまはむかしの
想い出ワルツ

ふたり暮らした アパートは
六畳一間の みゆき荘
なんにもないが 夢だけは
こぼれるほどに 咲いていた
いまはむかしの いまはむかしの
想い出ワルツ

細くやつれた 手を握り
おまえを送った 長い夜
さよならだけが 人生の
夜空に咲いた 遠花火
いまはむかしの いまはむかしの
想い出ワルツ
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