島唄

はぐれ鴎が 一声ないた
あの娘恋しと かすれ声
はなれ小島の 磯うつ波の
荒れたしぶきが つらいのか
しのぶ しのぶと 海を呼ぶ

島で生まれて 島しきゃ知らぬ
うぶな娘は まだ十九
旅のお方の 口説きに負けて
幼ななじみに そむいたと
噂ばなしが 身を責める

誰が建てたか 渚の岩に
赤い鳥居と 石仏
はぐれ鴎が しぶきにぬれて
今日も一羽で ないている
しのぶ しのぶと 幾声も
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