銀木犀

ほろほろと夜にこぼれる
匂いやさしい 銀木犀によぎる面影よ
愛しながらもさだめゆえ
はぐれて二秋おまえに逢いたい
逢いに行きたい 夢一夜 素肌ゆだねた

おもひでだけで生きてゆけると
背中でないたやつ
北風のたよりじゃ影さえも
やつれているとか
迎えに行きたい すぐに行きたい

北国へ 続く夜空を ふと見かえれば
なみだのような 蒼い流れ星
命はかない 女だから
もしやと気がかり
おまえに逢いたい 逢いに行きたい
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