男の艶歌

天にもらった 財宝(たから)の山を
棄てて悔いない 友がいる
時代おくれと 笑われようと
義理と人情と 浪花節
それが男の 花絆(はなきずな)

路地にかくれて 見送るあの娘(こ)
俺はあばよと 背なで言う
恋に少しは 似ているけれど
切れば血の出る 侠気(おことぎ)は
女なんかにゃ わかるまい

俺が花なら お前は風だ
そして命は 春の夢
男同士の 相合傘で
地獄参りの 道行きは
花によりそう 風ひとつ
×